メインフレームチーム
リーダー 中村 敬理 氏
ERPから自社開発システムに変更したことにより、きめ細かいユーザーニーズに対応することができました。 年とともに業務が少しずつ変わるので細かい改善要求は出てきますが、スピーディに対応しています。 これも、小回りの利くDelphi/400のいいところです。
会社名 | 株式会社ディスコ |
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本社所在地 | 東京都大田区大森北2-13-11 |
事業内容 | 半導体製造に使用する精密加工装置などの製造・販売・各種サービスで日本を代表する企業。 子会社20社、関連会社3社により構成されている。 |
URL | http://www.disco.co.jp |
1937年に砥石メーカーとして創業、現在は半導体などの材料となるシリコンウエハ、セラミクスなどを精密に切断、研削、研磨する装置や薄型砥石を開発/製造している。 Kiru(切る)・Kezuru(削る)・Migaku(磨く)を徹底的に追求し、半導体製造に使う切断装置で世界シェアトップを誇る。
本社ビル 桑畑工場 |
1998年に、2000年問題対応と業務課題の解決を目的として、海外拠点の販売管理用にERPパッケージ「OneWorld」を導入した。 5年間の利用後、システム老朽化のためソフトウェアの耐用期限切れと考え、次期システムへのバージョンアップを検討することとなった。
当初は、使用中の「OneWorld」のレベルアップによる次期システム構築を検討。ところが、ベンダーからの見積が、初期費用とほぼ同等の数億円を超える額だったため、一転して自社開発でのリプレースに決定した。 OneWorldには同社にとって不必要な機能が多かった点も継続しなかった理由の一つだった。
今回の再構築では、国内拠点用システムと海外拠点用システムを一本化し、海外拠点で使用するシステムも自社開発することが大きな目標であった。また、海外拠点向けのシステムについては、国内と異なる要件が多々あるので、現地それぞれの事情に合わせて開発することも重要な課題だった。
開発面については、同社は20年来のIBM i ユーザーで、高いスキルを持つRPG技術者が多数いる。そのため、開発手段を選定するにあたっては、RPGスキルを有効活用できることが条件であった。
再構築の対象は、売上管理、在庫管理、売掛管理、買掛管理などの各システムと販売管理システムである。 このうち販売管理システムの方は国内用と海外用に分かれており、従来、国内用は自社開発のシステム(SORA)で、OneWorldは海外用として使用してきた。 また、海外の3拠点(米国、ドイツ、シンガポール)はすべてOneWorldだった。
開発言語についてはRPGがメインであったが、一方、開発ツールとしてRPG資産を有効活用できるDelphi/400を採用した。 Delphi/400は、管理会計システム(RPG)のGUI化で利用した経験があり同案件の担当者から非常に使い易いとの評価があった。 さらに、ミガロ.の開発応援も期待できた。
海外拠点用システムについては、現地に合った仕様でうまく開発できるか当初は懸念があったが、調査の結果、どの拠点も意外にシンプルなシステムで運用してきたことが判明した。 実際の開発手順としては、国内・海外拠点に共通する部分を「スタンダード・モデル」として先に開発し、その後に各ローカル拠点特有の要素をアドオンする形にした。 また、開発フェーズを、「要件定義」、「外部・内部設計」、「プログラム開発」の3段階に分けて進めることにした。ウォーターフォール型のように前工程を固めてから後工程に進むのではなく、前工程の終了前でも次の工程にかかれるものは着手し、並行して作業を行うようにした。
実際には、要件定義に半年、外部・内部設計とプログラム開発に約1年とのスケジュールをたて、2005年12月から統合テストに移った。 テストの結果、品質の問題や要件不足の判明もあり、サービスインまでさらに1年かけ、2007年1月より本番稼動している。 この点に関して、当初設定した納期が厳しすぎたため、開発作業フェーズが短縮されてシステムの不具合が発生し、結果的にカットオーバーが遅れてしまった、と同社では振り返っている。 その後のユーザーフォローが功を奏し、ユーザーからの指摘事項は本番稼動半年ほどで激減し、安定稼動して現在を迎えている。 こうして、ERPパッケージから自社開発システムに切り替えるという果敢なプロジェクトは無事に完了することができた。
株式会社ミガロ.
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