はじめに
本記事では、Delphi/400 11 Alexandria Deployment(運用版)の導入方法をご案内します。
Delphi/400(運用版)のインストールは、
- 使用する場合のみ、BDE のインストール
- Delphi/400 運用ミドルウェア のインストール
の順に行います。
※「Delphi/400運用ミドルウェア」は、
Delphi/400メンテナンス専用ページ よりダウンロード頂く事が可能です。
ダウンロードしたインストールモジュールの中に、
「Delphi/400運用ミドルウェア」のインストーラーが含まれています。
注意事項
- 本ページは運用版のインストールマニュアルとなります。
開発版のインストール手順については、こちらをご参照ください。
- Delphi/400 Deploymentをインストールする前に、
BDE(Borland Database Engine)を使用する場合には
事前にBDEのインストールをしておいてください。
- Delphi/400に収録されているソフトウェアの使用により直接または間接に損害が生じた場合でも、エンバカデロテクノロジーズ社、株式会社ミガロ. および Metrixware SystemObjects は、一切の責任を負いません。
詳しくは、各インストーラが表示するご使用条件またはドキュメントファイルをお読みください。
動作環境(運用環境)
Delphi/400 Deploymentのインストールは、
BDE(Borland Database Engine)を使用する場合には先にBDEをインストールしてから行います。
まずは、IBM i ならびにインストールを行うPCのスペックをご確認ください。
IBM i (AS/400)
[ハードウェア要件]
- モデル: IBM i Power5以降
- ディスク容量: 約10MB
※OS/400およびライセンスプログラムなどは含まれません。
[ソフトウェア要件]
- OS: OS/400 V7R1以降を推奨
※V7R1より古いOSでは、弊社における動作検証を実施しておりません。
クライアント端末
[ソフトウェア要件]
- Microsoft Windows 11
- Microsoft Windows 10
- [Mac運用時の追加要件]
- macOS 10.15 Catalina、11 Big Sur、12 Montereyが動作するMac端末
- [iOS運用時の追加要件]
- iOS 14 ~ 15が動作するiPhone、iPad、iPod touch
- [Android運用時の追加要件]
- Android 8.1~12が動作するAndroidスマートフォン、タブレット
※「iOS」の定義には、iPad用の「iPadOS」を含みます。
インストール直前の作業
次に、インストール直前の作業です。次の操作を行ってください。
- IBM i (AS/400) でのTCP/IPサービスの開始
- クライアントPCでの常駐ソフトの停止
以上で準備は完了です。
Delphi/400 運用版ミドルウェアのインストール
※Delphi/400運用版ミドルウェアは、
IBM i 側で実行されるサーバーモジュールとクライアント側で実行されるクライアントモジュールがございます。
サーバーモジュールは、初期導入時のみセットアップしてください。
2台目以降の開発クライアントPCインストール時は、クライアントモジュールのみセットアップしてください。
※開発版と運用版の両方をご利用の場合は、開発版の方でサーバーモジュールを導入ください。
《ステップ1-0 旧バージョン Delphi/400のアンインストール》
Delphi/400 ミドルウェアは、クライアントPC側については、複数バージョンの共存はできません。
導入するクライアントPCに旧バージョンの
Delphi/400ミドルウェア(クライアントモジュール)が既にインストールされている場合、
先にこちらのTips記事の手順に従って旧バージョンを完全アンインストールしてください。
※コントロールパネル等から単にアンインストールするだけだと、残存するファイルやレジストリ値が
Delphi/400 11 Alexandriaの動作に影響する可能性があります。
※サーバーモジュール(IBM i 側)は、新旧バージョンの共存が可能です。
《ステップ1-1 RadStudio40011_depl.exeの起動》
Delphi/400 運用版ミドルウェアのセットアップを行います。
Delphi/400 運用版ミドルウェアのインストールモジュールに含まれる
『RadStudio40011_depl.exe』を実行してください。
《ステップ1-2 製品ライセンス契約》
製品ライセンス契約画面が表示されます。
契約にご同意いただける場合は、チェックして「次へ」を押下してください。
《ステップ1-3 インストール先の選択》
インストール先の選択画面が表示されます。
デフォルトのインストール先のフォルダは C:\CO427 です。
必要があれば適宜変更して「次へ」を押下してください。
(※インストール先フォルダは、デフォルト値の利用を推奨しております。)
《ステップ1-4 セットアップタイプの選択》
必要な機能に応じてインストールするセットアップタイプを選択してください。
IBM i (AS/400)側にDelphi/400サーバーモジュールが既に導入されている場合には、
「標準」または「カスタム」を選択してください。
(「標準」の選択を推奨しています。また、標準ではBDEはインストールされません。)
「標準」・・・・・全てのクライアントモジュールのインストール
「カスタム」・・・必要なモジュールのみ選択インストール(※ステップ1-5へ)
BDE使用 かつ IBM i 側にDelphi/400サーバーモジュールがまだ導入されていない場合には、
「完全」を選択してください。(※ステップ1-6へ)
「完全」・・・・・IBM i 側を含む全モジュールのインストール
《ステップ1-5 インストールコンポーネントの選択》
※ステップ1-4で[カスタム]を選択した場合、この画面が表示されます。
インストールするモジュールをカスタマイズして選択します。
BDEを使用する場合には、
「クライアントソフトウェア Delphi/400 11 Alexandria」の「IDAPIドライバ」
を選択して「ローカルハードディスクにインストール」に設定してください。
選択が完了したら「次へ」を押下してください。
《ステップ1-6 コードページの選択》
※ステップ1-4で[完全]を選択した場合、または[カスタム]からサーバーモジュールを選択した場合のみ、
この画面が表示されます。
※【注意!!】
既にIBM i 側にDelphi/400 11 Alexandria(サーバーモジュール)がインストールされている場合、
内部プログラムやライセンス情報も含めて全て上書きでインストールされます。
IBM i側のサーバーモジュールの導入は、初回だけ実行してください。
(既にインストールされているかどうかは、コマンド「CALL CO423/ABOUT」や、
サブシステムCO423TCP・ライブラリCO423が存在するか等で判別可能です。)
IBM i (AS/400)側にDelphi/400をインストールする情報を次の内容で指定して「次へ」を押下してください。
- <ユーザープロファイル>:ユーザー(*SECOFR権限)を指定。
- <パスワード>:上記ユーザーのパスワードを指定。
- <コードページ>:リストボックスからIBM i のCCSIDにあわせて値を指定。
- 【JP1】・・・CCSID 5026 or 65535用
- 【JP2】・・・CCSID 5035用
- 【JP3】・・・CCSID 5026拡張用
- 【JP4】・・・CCSID 1399用
- <ポート番号>:デフォルト30013を指定。
- <IBM i IPアドレス>・・・IBM i のTCP/IPアドレスを指定。
《ステップ1-7 インストールの開始》
ここまでの指定内容でインストールを開始します。「インストール」を押下してください。
《ステップ1-8 ファイルコピーの開始》
ファイルのコピーが開始されます。画面の指示に従いセットアップを進めます。
《ステップ1-9 セットアップの完了》
ファイルコピー後、「セットアップの完了」画面が表示されます。
「Embarcadero RadStudio40011 を起動する」のチェックを入れて「完了」を押下してください。
引き続き、[AS/400コネクションの環境確認]に移ります。
全環境を通じて初回インストールで、サーバーモジュールを導入した場合は
下記の【サーバーモジュール導入後の初回作業について】もご参照ください。
Delphi/400の接続設定
インストール完了時はそのままConfiguration(AS/400コネクションの環境確認)が起動します。
通常はスタートメニューより「Embarcadero RadStudio40011」にある「Configuration」を起動します。
《ステップ2-1 Access to AS/400 Configuration画面-1》
Access to AS/400 Configuration画面の右下にある、「Add」を押下してください。
AS/400のTCP/IP設定画面が表示されます。
《ステップ2-2 AS/400 TCP/IP設定画面》
接続先(エリアス)の設定を次のように行います。
- Name:任意の接続名(8桁以内)
- Adress:接続先IBM iのIPアドレス
- Server Port:30013
- Code page:ステップ1-6で設定したコードページ
- Library:CO423
※コードページに「JP-4」を選択してCCSID 1399のUnicodeを使用する場合は、
[Use unicode for JGEO fields]をチェックしてください。
※IBM i のホスト名をDNSに登録の上、Name欄に登録ホスト名を指定すると、IBM iへの初期接続が高速になります。
AS/400 TCP/IP画面右下にある、「OK」を押下してください。
《ステップ2-3 Access to AS/400 Configuration画面-2》
ステップ4-2でエリアスを登録したら、Access to AS/400 Configuration画面右下にある
「Apply and Test Connection」ボタンを押下してください。
Test Connection on Applied Configuration画面が表示されます。
《ステップ2-4 Test Connection 画面-1》
Test Connection on Applied Configuration画面が表示されます。
上から順番にボタンを押下していきます。
まず、「Initialize」を押下するとボタン左にチェックマークが表示されます。
エリアスを複数作成した場合は「Choose AS/400 to test」のプルダウンから
どのエリアスに接続を試行するか選択できます。
(Defaultのままの場合は、一覧の先頭にあるエリアスが選択されます)
次に「Connect」を押下すると、IBM i (AS/400)のサインオン画面が表示されますので、
ユーザーIDとパスワードを入力してください。(例:QSECOFRやQPGMR等)
《ステップ2-5 Test Connection 画面-2》
しばらくすると「Connect」ボタン左にチェックマークが表示され、
ボタン下にDelphi/400のバージョンが表示されれば、IBM i (AS/400)との接続テストは完了です。
引き続き「Disconnect」、「End the test」の順に押下し、
ボタン左にチェックマークが表示されるのを確認してください。
「Close」ボタンをクリックし、
Test Connection on Applied Configuration画面を閉じてください。
《ステップ2-6 Access to AS/400 Configuration画面-3》
Access to AS/400 Configurationに戻ったら、最後に「OK」を押下して終了します。
これでConfigration設定は完了です。
※Configration設定の「OK」ボタンで反映される設定値が存在するため、
Delphi/400の再インストール時にもConfigration設定は必ず実行してください。
以上でDelphi/400のインストールは完了です。
Delphi/400運用版インストールについて、ご不明な点がございましたら、
テクニカルサポートまでお問い合わせください。
サーバーモジュール導入後の初回作業について
サーバーモジュールを導入した場合は、
以下の手順でインストール成否の確認とライセンスキーの入力を行ってください。
《ステップ3-1 サーバーモジュール導入結果の確認》
Delphi/400のサーバーモジュールが正常にインストールされたか確認する場合は、
ACSやPCOMMなどのIBM i エミュレータで以下の手順を実行します。
① WRKLIBPDMなどで、ライブラリCO423が存在するか確認する。
② WRKACTJOBなどで、サブシステムCO423TCPが起動しているか確認する。
①が存在しない場合はインストールに失敗しています。
お手数ですがDelphi/400のサーバーモジュールを再インストールしてください。
何度か再試行してもうまくいかない場合は、ミガロ.テクニカルサポートまでお問い合わせください。
②が起動していない場合は、
『STRSBS CO423/CO423TCP』コマンドを発行してサブシステムを起動してください。
《ステップ3-2 ライセンスキー投入》
新しいIBM i または新しいバージョンのDelphi/400サーバーモジュールを導入した時点では、
60日分の暫定キーが自動的に作成されます。
※暫定キーの間はDelphi/400は評価版として動作します。評価版では同時接続数が3接続までに制限されます。
正規のライセンスキーでソフトウェアを有効化するには、
ACSやPCOMMなどのIBM i エミュレータで以下の手順を実行します。
①『ENDSBS CO423TCP *IMMED』コマンドを発行してサブシステムを終了します。
※起動していると特にエラーは出ませんが、後述のライセンスキー入力後にキーが保存されません。
②『CALL CO423/CO400INS』コマンドを発行するとライセンスキーの入力画面が
表示されますので、お手元の「ライセンス証書」に記載されているライセンスキーを入力してください。
③ライセンスキーの入力後、『STRSBS CO423/CO423TCP』コマンドを発行してサブシステムを起動してください。
《ステップ3-3 ライセンスキーの確認》
『CALL CO423/ABOUT』コマンドを発行します。
評価版で動作している場合は、下図の左側のようにその旨が表示されます。
正常に登録された場合は、下図の右側のようにライセンスキーが表示されます。
変更履歴
- 2022/11/24:初版公開