今回は、Delphi 11 Alexandriaにて
エンバカデロ社より無償配布されているボーナスパックのコンポーネント群
「Bonus KSVC 7.0」についてご紹介いたします。
KSVCの概要
KSVCは「Konopka Signature VCL Controls」というコンポーネント群の頭文字で、
元々はアメリカのRaize Software社が開発したコンポーネントです。
エンバカデロ社が数年前に権利を取得して、Delphi 10.4 Sydneyより
Getit パッケージマネージャに追加されたものとなります。
KSVCの取得方法
Delphi 11.2(Delphi 11 Alexandria Update 2)の
IDE(統合開発環境)を起動したら、ウェルカムページまたは
[ツール] メニューにある『GetIt パッケージ マネージャ』を選択します。
右上の検索ボックスに「Bonus」と入力して絞り込みを行うと、
下図の2つの項目が表示されます。
このなかから「Bonus KSVC 7.0」をインストールします。
デモプログラムの実行方法
Delphiを再起動してプロジェクトを新規作成してみると、
ツールパレットにKSVCのコンポーネント群が追加されています。
なんとその数はパレットが7種類、コンポーネントが131種類となっており
ぱっと見では、どれがどれかわからないボリュームです。
そこで、Bonus KSVCでは
インストール時に一緒に導入されているデモプロジェクトを使用して、
そちらで基本的な動きが確認できるようになっています。
デモプログラムを直接実行する
デモプログラムは、ソース等の一式が以下の場所にインストールされています。
(※2022年12月現在・Delphi 11.2 Alexandriaの場合)
C:\Users\Public\Documents\Embarcadero\Studio\22.0\CatalogRepository
フォルダ内の『KonopkaControls-280-7.0For11.2』フォルダ
デモプログラムを直接実行したい場合(または下記の手順でコンパイル出来ない場合)、
『Demo』フォルダ内の『RCDemo.zip』を解凍すると
旧版とはなりますが実行可能なモジュール(RCDemo.exe)が入っています。
デモプログラムをコンパイルして実行する
まず上記の『KonopkaControls-280-7.0For11.2』フォルダを
別の場所へコピーします。
(※これから一部直接変更する&KSVCをアンインストールするとフォルダごと消えるため)
コピーしたフォルダの中にある
『Demo』フォルダ内の『RCDemo.dpr』をDelphi 11 Alexandriaで開きます。
そのままではコンパイルしようとするとエラーになるため、
以下の準備や変更を実施します。
①コンパイルエラーの修正
// コンパイルエラーになった以下の部分に引数(青字)を追加する ※2箇所 if UsingSystemStyle(nil) then // コンパイルエラーになった以下の部分(赤字)をコメントアウトする // if FCurrentVS = vsGradient then // C := GetGradientPanelFrameColor( FCurrentGCS ) // else C := clBtnShadow;
②Windows SDKについて
コンパイルにあたってWindows SDKのインストールを求められた場合は、
Microsoft社のサイトより取得してインストールします。
(『インストーラーをダウンロードする』をクリック)
③実行時のIDEエラーについて
コンパイルしてもIDEからの実行でエラーになる場合は、
生成されたEXE(RCDemo.exe)をダブルクリックで実行して下さい。
デモプログラムの実行イメージ
RCDemo.exeを起動すると、以下のような画面が表示されます。
画面の上または左側のタブをクリックして、それぞれのデモを表示できます。
また各タブにおいて、コンポーネントの説明が英語で記載されています。
<KSVC デモ動画>
本記事で紹介したKSVCについて、インストール手順およびデモを動画でもご紹介いたします。
是非ご覧下さい。
(本記事は、以下の資料をもとに最新情報を含めた再構成をしております。)
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