Delphi/400 XE3~10.2 Tokyoではインストール時にオプションとして選択できた
Fast Reportが、最新のDelphi/400 11 Alexandriaでは選択できなくなっています。
Fast ReportがDelphi製品に対応しなくなってしまったわけではなく、
サードパーティ製品などをWeb経由で取得できる
『GetIt パッケージマネージャ』から導入できるようになっています。
今回はこの GetItパッケージマネージャから取得できる
Fast Report「Embarcadero Edition」の導入手順を解説します。
FastReportとは?
FastReportは、米Fast Reports社が開発した高速レポートツールです。
レポートをすばやく、効果的に作成できるようにするアドオン コンポーネントです。
※本記事は、Fast Report Embarcadero Edition(機能限定版)の導入手順となっております。
製品版は、日本国内においてはエージーテック社が取り扱っています。
製品版の詳細は、エージーテック社サイトをご確認下さい。
インストール手順
Delphi 11 Alexandriaを起動したら、
[ツール] メニューにある『GetIt パッケージ マネージャ』を選択します。
ウェルカムページが表示されている場合、右上のボタンでも選択できます。
GetIt パッケージ マネージャが開いたら、
画面上部の検索ボックスに『Fast』と入力します。
すると絞り込みが行われ、FastReportのパッケージが候補に表示されます。
表示されない場合は、画面左側の絞り込みやカテゴリが
「すべて」「All」になっているかご確認ください。
表示された項目のうち、
- FireMonkey開発で使用する場合は『Fast Report FMX 2.8.2』
- VCL開発で使用する場合は『Fast Report VCL 2022.2.7』
を選択してください。
(※バージョン番号は、2023年3月現在のものです。)
「インストール」ボタンを押すと以下のような画面が表示されます。
すべて同意して進めます。
また、UACが有効な端末では管理者権限を求められます。
インストール完了後はDelphi(RAD Studio)が再起動される確認が出るため、はいを選択します。
インストール完了ダイアログで『今すぐ再起動する』を押すと、
Delphi(RAD Studio)が再起動します。
導入済みパッケージにFastReportが追加されています。
プロジェクトを新規作成し、ツールパレットを表示すると
FastReport関連のコンポーネント群が追加されているのを確認できます。
また、根幹となるTfrxReportコンポーネントを画面に配置すると、
オブジェクトインスペクタのVersionプロパティからバージョンを確認できます。
(GetIt パッケージマネージャに記載されていたバージョンと同じものです)
注意事項
<複数バージョンのFastReportについて>
複数バージョンのDelphi(Delphi/400)が導入されている環境において、
FastReportは、複数バージョンを同時にインストールする事はできません。
(エラーや予期しない動作の原因になります)
Delphi/400 11 Alexandria以外のバージョンでFast Reportを使用する場合、
先に Delphi 11 Alexandria用のFast Reportをアンインストールしてから、
対応バージョンのFast Reportをインストールしてください。
(Delphi 11 Alexandriaでのアンインストールは、上記と同様にGetIt パッケージマネージャを使って行います。)
<旧バージョンのDelphiについて>
11 Alexandriaより古いバージョンのDelphi(10.2 Tokyo / 10 Seattle)でも
GetIt パッケージマネージャにFastReport(Embarcadero Edition)が
表示されていることがありますが、ここからはインストールしないでください。
(バージョンの不一致などでそもそも読み込まれなかったり、正しく動作しません)
Delphi/400 10.2 Tokyoや10 Seattle等のバージョンで
FastReportのバンドル版(Embarcadero Edition)の再導入が必要な場合は、
Delphiのインストーラを使って再導入するか、
エンバカデロ社のカスタマーポータルサイト(My Embarcadero)より取得して下さい。
(My Embarcaderoにログイン後、My Downloadsの一覧から探します)