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IBM WebSphere Application Server (WAS) FixPackの入手と適用手順

SmartPad4iはIBM WebSphere Application Server(WAS)環境で動作します。
インターネット上にサーバーを公開している場合には、WASの環境を最新に保つことは非常に重要です。TipsではWAS環境のバージョンアップ手順、FixPackの入手と適用手順についてまとめます。

IBM WebSphere Application Serverの最新更新情報を取得

IBM WebSphere Application Serverの最新更新情報(FixPack) については以下URLから取得できます。

IBMサイト:Recommended updates for WebSphere Application Server

IBM WebSphere Application Server FixPackの入手

IBMidの作成

IBM WebSphere Application ServerのFixPackはIBM Fix Centralで入手できます。
Fix CentralからFixPackを入手時には、IBMidが必要になります。
IBMidを作成していない場合には、「サポート・コミュニティ―を使おう:ステップ1 IBMidの作成」を参考にしてIBMidを作成してください。

FixPackの入手

記事ではFixPackをローカル環境にダウンロード後、ダウンロードしたzipを展開して、ローカルリポジトリからFixPackを適用する手順を説明します。
IBM WebSphere Application ServerのFixPack適用では、オンライン上のリポジトリから直接FixPackを適用することも可能です。

FixPackは 先ほど紹介した、Recommended updates for WebSphere Application Server からリンクをたどり取得することができます。

FixPackダウンロード

Recommended updates for WebSphere Application Serverのページでは、libertyプロファイル、V8.5.5、V9.0のFixPackの情報が確認できます。
利用しているWebSphere Application Serverのバージョンを選択してください。

WAS FixPack

FixPackはOSごとに異なります。環境に合わせて取得する必要があります。

FixPackの種類 (Windows環境)

WebSphere Windows環境のFixPack

Windows環境の場合はPlatformがDistributedになっているFixPackを選択してください。
Windows環境の場合はSupplements,ToolboxのFixPackも入手します。

FixPackの種類 (IBMi環境)

IBMi環境では Platform がIBM iとなっているWEBENABのFixPackを入手してください。

IBM FixCentralからダウンロード

FixCentralからダウンロード

FixCentralからのダウンロードでは、HTTPS経由、FTP経由、DownloadDirectorと呼ばれるGUIのJavaプログラム経由が選択できます。都合の良い方法を使用して、FixCentralからFixPackを入手してください。

FixPackの適用手順(Windows環境)

Windows環境のWebSphere Application ServerへFixPackを適用する手順です。
ダウンロードしたFixPackを展開後、IBM Installation Managerを利用してバージョンアップします。

Windows環境 FixPackの展開

ダウンロードしたFixPackをサーバー上の任意ディレクトリに展開します。
例えば、WASのFixPack FP20を適用する場合、C:\WAS\WASFix ディレクトリ に8.5.5-WS-WAS-FP020-part1.zip〜 8.5.5-WS-WAS-FP020-part3.zipを展開して配置します。

また、 C:\WAS\WASSup ディレクトリにSupplementsのFixPack
8.5.5-WS-WASSupplements-FP020-part1.zip〜8.5.5-WS-WASSupplements-FP020-part3.zip
を展開、C:\WAS\WASTB ディレクトリに8.5.5-WS-WCT-FP020-part1.zip, 8.5.5-WS-WCT-FP020-part2.zipを展開してください。

展開すると、各ディレクトリにはrepository.configファイルが配置されています。
IBM Installation Managerから、repository.configを読み込むことで、ローカルリポジトリとして認識されWASのバージョンアップが可能となります。

IBM Installation ManagerからFixPackの適用

FixPackを適用する前にIBM WebSphere Application Server, IBM HTTP Serveを停止してください。
次に、IBM Installation Managerを起動します。

IBM Installation Manager リポジトリ設定

IBM Installation Managerを起動後、ファイルメニューからリポジトリー設定を行います。

リポジトリーの設定

IBM Installation Manager リポジトリーの設定

リポジトリーの設定ファイルは、FixPackを展開したディレクトリに配置されています。
各ディレクトリのrepository.configファイルを参照してリポジトリーを追加してください。

  • C:\WAS\WASFix\repository.config
  • C:\WAS\WASSup\repository.config
  • C:\WAS\WASTB\repository.config

リポジトリーを追加後、「OK」ボタンで終了します。

FixPackの適用

IBM Installation Manager 更新処理

IBM Installation Managerのホーム画面に戻り、IBM Installation Managerの「更新」を選択します。
更新を選択すると、インストールされているパッケージが表示されます。

  • IBM HTTP Server V8.5
  • IBM WebSphere Application Server V8.5
  • Web Server Plug-ins for IBM WebSphere Application Server V8.5
  • WebSphere Customaization Toolbox V8.5

それぞれのパッケージを更新する必要があります。
パッケージを選択して更新したり、すべてのパッケージを一括して更新することができます。
パッケージを選択後、「次へ」ボタンをクリックして、FixPackを適用してください。

IBM Installation Manager パッケージ全てを更新

※パッケージを選択時、「すべてを更新」のチェックボックスを設定するとすべてのパッケージを一括して更新することもできます。

IBM Installation Manager 適用するバージョンの確認

パッケージの更新を実行すると、適用するバージョンが表示されます。
FixPackのバージョンを確認後、「次へ」ボタンをクリックしてください。

パッケージの更新 使用条件

使用条件が表示されますので、使用条件を確認後、同意のラジオボタンを選択して「次へ」ボタンをクリックしてください。

IBM Installation Manager FixPackの適用 フィーチャー選択

インストールするフィーチャーを選択します。
選択後。「次へ」ボタンをクリックしてください。

IBM Installation Manager FixPackの適用 Java SDKの推奨表示

IBM WebSphere SDK Java Technology Edition をインストールしている場合には、IBM WebSphere Application Server デフォルトのJavaSDKを利用するように推奨する画面が表示されます。
「次へ」ボタンをクリックしてください。

IBM Installation Manager パッケージ更新の確認

パッケージ更新の確認が表示されます。「更新」ボタンをクリックしてパッケージを更新してください。

IBM Installation Manager パッケージ更新の完了

FixPackが適用されました。
その他パッケージも同様の手順で適用してください。
以上でWindows環境 FixPackの適用は完了です。

FixPackの適用手順(IBMi環境)

IBMi環境のWebSphere Application ServerへFixPackを適用する手順です。
Windows環境と同様にダウンロードしたFixPackを展開後、IBM Installation Managerを利用してバージョンアップします。

IBMi環境では、QSHシェル・インタープリターからInstallation Managerのコマンドを実行してFixPackを適用する方法と、IBM Web Administration for i (HTTPAdmin)からFixPackを適用する方法があります。

IBM Web Administration for i から適用する手順が簡単なため、記事では IBM Web Administration for i から更新する手順をご紹介します。

IBMi環境 FixPackの展開

IBMi環境ではIFS領域にFixPackのファイルを配置します。
IBMiのIFS領域にダウンロードした8.5.5-WS-WEBENAB-FP020.zip を配置してください。
記事では、\QIBM\WAS\WASFIXPACKS\WAS\85520\FIXPACK\8.5.5-WS-WEBENAB-FP020.zip
へ配置しました。

エミュレータ ホストコードページ939 CCSID5035

IBMiにエミュレータで接続します。ホストコードページを939 に設定してから接続してください。
また、ログイン後、ジョブのCCSIDを5035に変更してください。

CHGJOB CCSID(5035)
IBMi FixPackの展開 QSHシェル・インタープリター

STRQSHコマンドを実行して、QSHシェル・インタープリターを起動してください。

STRQSH
IBMi jarコマンドでzipを展開

cdコマンドでカレントディレクトリを変更後、jarコマンドで 8.5.5-WS-WEBENAB-FP020.zip を展開します。
FixPackのzipを配置したディレクトリに展開する場合は以下になります。

cd /QIBM/WAS/WASFIXPACKS/WAS/85520/FIXPACK
umask 022
jar -xvf /QIBM/WAS/WASFIXPACKS/WAS/85520/FIXPACK/8.5.5-WS-WEBENAB-FP020.zip

IBM Web Administration for i (HTTPAdmin)からFixPack適用

IBM Web Administration for i (HTTPAdmin)にアクセスします。
ブラウザのアドレスバーに以下URLを入力してアクセスしてください。

http://「IBMi IPアドレス」:2001/HTTPAdmin

  ※「IBMi IPアドレス」は環境に合わせて変更してください。

ログイン時にユーザープロファイルとパスワードの入力が要求されます。
特殊権限 *ALLOBJ および *SECADMを持つ管理者のユーザープロファイルでログインしてください。

IBM Web Administration for i インストール済み環境

IBM Web Administration for i インストール済み環境

「管理」タブ > 「インストール済み環境」タブ を選択すると現在導入されているIBM WebSphere Application Serverのバージョンが確認できます。

FixPackの適用

IBM Web Administration for i  WebSphere 更新

更新対象のWebSphere Application Serverをラジオボタンで選択して「更新」ボタンをクリックします。

FixPackの適用

「修正パッケージのロケーションの指定」では「フィックスパック」のチェックボックスを設定後、FixPackのzipが展開されたパスを指定してください。
設定後、「次へ」ボタンをクリックしてください。

FixPackのバージョン確認

適用されるFixPackのバージョンが表示されますので、「OK」ボタンをクリックしてください。

インストール済み環境 更新開始

更新の確認画面が表示されますので「完了」ボタンをクリックしてください。
FixPackの適用が開始されます。

インストール済み環境 更新完了

状況が「使用可能」に変わればIBMi環境 FixPackの適用は完了です。