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Webサーバー(IHS)とアプリケーションサーバー(WAS)を Web サーバー・プラグイン構成ツールで統合する方法

記事では、Webサーバー「IBM HTTP Server(IHS)」とアプリケーションサーバー「WebSphere Application Server(WAS)」をWebサーバー・プラグイン構成ツールを利用して統合する方法についてご紹介します。統合することで静的な処理がWebサーバーの役割となり、動的な処理部分をWebSphere Application Serverの役割となるように処理を分担することで負荷を下げることが可能です。

はじめに

記事では、前回の記事でご紹介した「WebSphere Application Server(WAS) Windows環境でのプロファイル作成方法」で作成した、「WASのプロファイル」と「Webサーバー(IBM HTTP Server、IHS)複数のインスタンス作成方法」で作成した、「Webサーバーのインスタンス」を使用して、新たな、IHS/WebSphere Application Server 統合環境を作成する手順となります。

WebSphere Customization Toolbox

IBM HTTP ServerとWebSphere Application Server のプロファイルを連携するには、「WebSphere Customization Toolboxツール」の「Webサーバー・プラグイン構成ツール」を利用して、プラグイン構成ファイルを定義します。

WebSphere Customization Toolbox

Windows環境では、「スタートメニュー」→ 「IBM WebSphere」から「WebSphere Customization Toolbox」が起動できます。

WebSphere Customization Toolbox Webサーバー・プラグイン構成ツール

新規インストール時や、初めてWebサーバー・プラグイン構成ツールを利用する場合は、以下の順序で設定します。

  1. Webサーバー・プラグイン・ランタイム・ロケーションを追加
  2. Webサーバー・プラグインファイル作成

Webサーバー・プラグイン・ランタイム・ロケーションを追加

WebSphere Customization Toolbox Webサーバー・プラグイン・ランタイム・ロケーション追加

Webサーバー・プラグイン・ランタイム・ロケーションを追加します。
「追加」ボタンをクリックして、「Webサーバー・プラグインのロケーションの追加」ダイアログを表示します。「名前」、「ロケーション」を入力して設定します。
「名前」は任意の名前を設定しても問題ありません。ロケーションは「WebSphere Application Server Plug-ins for IBM WebSphere Application Server VX.X」のインストールディレクトリを設定します。

V8.5 デフォルトのインストールパスの場合はC:\Program Files (x86)\IBM\WebSphere\Pluginsです。V9の場合は64bitべースのパスとなり、デフォルトC:\Program Files\IBM\WebSphere\Pluginsとなります。

「終了」ボタンをクリックするとWebサーバー・プラグイン・ランタイム・ロケーションが追加されます。

Webサーバー・プラグインファイル作成

WebSphere Customization Toolbox Webサーバー・プラグイン構成作成

ランタイム・ロケーション追加完了後に、Webサーバー・プラグイン構成の「作成」ボタンをクリックしてください。

Webサーバー選択

WebSphere Customization Toolbox Webサーバー・プラグイン構成作成 Webサーバー選択

プラグイン構成ファイルで、統合するWebサーバーの種類を選択します。IBM HTTP Server V8.5を選択後、「次へ」ボタンをクリックしてください。

Webサーバー構成ファイル選択

WebSphere Customization Toolbox Webサーバー・プラグイン構成作成 Webサーバー構成ファイル選択

Webサーバーの構成ファイル(httpd.conf)へのパスを設定します。
初期時には、インストールデフォルト・パスとポートが設定されています。
統合するWebサーバーの情報に合わせて変更してください。

例えば、前回Tipsで作成した環境であれば、以下を設定することになります。

  • 既存のIBM HTTP Server httpd.confファイルの選択:
    C:\Program Files (x86)\IBM\HTTPServer\conf_dev\httpd_dev.conf
  • Webサーバー・ポートの指定:
    10000

IBM HTTP Server 管理サーバーのセットアップ

WebSphere Customization Toolbox Webサーバー・プラグイン構成作成 HTTP Server 管理サーバー

IBM HTTP Server 管理サーバーのセットアップ画面が表示されます。
IBM HTTP Server 管理サーバーは、WebShpere 管理コンソールからIBM HTTP Server の設定を変更可能にする機能です。機能はサービスプログラムとしてWindows端末に登録されます。

  • A.追加する場合
    ポート番号、ユーザーID、パスワードを入力して、「次へ」ボタンをクリックしてください。
  • B.追加しない場合
    IBM HTTP Server 管理サーバーのセットアップ横のチェックボックスを未チェック状態にしてから、「次へ」ボタンをクリックしてください。

Webサーバー定義名

WebSphere Customization Toolbox Webサーバー・プラグイン構成作成 Webサーバー定義名

Webサーバー定義名を指定して「次へ」ボタンをクリックしてください。

構成シナリオ選択

WebSphere Customization Toolbox Webサーバー・プラグイン構成作成 構成シナリオ選択

構成シナリオ選択では、(ローカル)WebSphere Application Server のインストールロケーションのラジオボタンをチェックしてください。SmartPad4iはWebサーバーとWASが同じ端末に導入されていることが動作条件になっています。

WebSphere Application Server インストールパスはV8.5のデフォルトでは以下です。
C:\Program Files (x86)\IBM\WebSphere\AppServer

異なるパスにインストールしている場合は変更してください。
設定後、「次へ」ボタンをクリックしてください。

WebSphere Application Server プロファイル選択

WebSphere Customization Toolbox Webサーバー・プラグイン構成作成 プロファイル選択

「使用可能なプロファイル」プルダウンでWebサーバーと統合するWASのプロファイルを選択してください。

例えば、前回Tipsで作成したプロファイルを統合するのであれば、AppSrv02を設定することになります。

  • 使用可能なプロファイル:
    AppSrv02

選択後、「次へ」ボタンをクリックします。

プラグイン構成の要約

WebSphere Customization Toolbox Webサーバー・プラグイン構成作成 構成の要約

プラグイン構成の要約が表示されます。
設定に問題がなければ、構成ボタンをクリックしてください。
構成の作成処理が実行されます。

プラグイン構成結果

WebSphere Customization Toolbox Webサーバー・プラグイン構成作成 構成結果

プラグイン構成結果が表示されます。
構成が完了すると、Webサーバー構成ファイル(httpd.conf)の最下行に連携用のdllとxmlのパスが指定されています。

これにより、IBM HTTP Server とWASの統合が完了です。
リクエストされたURIによって、アプリケーションサーバー(WAS)にリクエストを割り振ることが可能となります。

以上で、Webサーバーと、アプリケーションサーバーをプラグイン構成ツールを使用して統合する手順は終了です。

設定値を変更する場合には、WASの管理コンソールにログインして設定を変更後、「プラグインの伝搬」処理を行うことで更新することができます。