WebSphere Application Server(WAS)はJava仮想マシン(JVM)を使用しています。
Javaで使用できるメモリー(ヒープサイズ)が足りなくなった場合、メモリー不足のエラーが発生して、WASは停止してしまいます。Tipsでは、最大ヒープサイズを変更して、WASが使用できるメモリーを増やす方法についてご紹介します。
Javaのヒープサイズとは?
ヒープ領域はソフトウェア起動時にOSから割り当てられるメモリーになります。
Javaのプログラムは、プログラム実行時に「ヒープ領域(ソフトウェアが自由に利用できるメモリ)」を使用して動作しています。
そして、ヒープサイズは割り当てられたヒープ領域の量を指します。
ヒープ領域が不足すると、プログラムではメモリー不足エラーが発生してしまいます。
そのため、ソフトウェアが使用するヒープ領域が不足しないように、ヒープサイズを設定する必要があります。
WebSphere Application Server(WAS)のヒープサイズを変更
WASのヒープサイズ変更は、WASの管理コンソール(WebSphere Integrated Solutions Console)から行います。Windows環境のWASとIBMi環境のWASで「WebSphere Integrated Solutions Console」を起動する手順が異なります。
WebSphere Integrated Solutions Consoleの起動
Windows環境
スタートメニューから「IBM WebShere」>「AppSrv01※ – 管理コンソール」を起動します。
統合セキュリティを設定している場合には、ユーザーID,パスワードを入力してログインしてください。
※AppSrv01の箇所はプロファイル名が設定されています。
IBMi環境
IBMi環境のWebSphere Application Server(WAS)では、まず「IBM Web Administration for i」にアクセスします。
IBM Web Administration for i の起動
ブラウザのアドレスバーに以下のアドレスを入力します。
http://IBMi IP Address:2001/HTTPAdmin
「IBMi IP Address」の箇所は、利用しているIBMiのアドレスに合わせて変更してください。
上記アドレスにアクセスできない場合は、IBMi上でサービスが停止している可能性があります。
その場合は、以下コマンドでサービスを起動してください。
STRTCPSVR SERVER(*HTTP) HTTPSVR(*ADMIN)
http://IBMi IP Address:2001/HTTPAdminにアクセスすると、認証のダイアログが表示されます。Web関連サーバーを操作できる権限を持つユーザープロファイルを利用してログインしてください。デフォルトでは、*ALLOBJ と *IOSYSCFG の特殊権限を持つユーザーまたはそのグループ のユーザープロファイルのみが設定変更可能です。
「管理」タブ > 「Application Server」タブ > 対象のアプリケーションサーバーを「サーバー」プルダウンから選択後、左側メニューの「管理コンソールの立ち上げ」をクリックしてください。
「WebSphere Integrated Solutions Console」が起動します。
なお、WASが停止中の場合は、「WebSphere Integrated Solutions Console」が起動できないため、あらかじめ、WASを起動してください。
ログイン画面が表示されます。セキュリティを設定していない場合は、「ログイン」ボタンをクリックすることでログインできます。
WebSphere Integrated Solutions Consoleからヒープサイズの変更
WebSphere Application Server選択
ログイン後、左側メニューの「サーバー」>「サーバー・タイプ」>「WebSphere Application Server」を選択、右側の画面に表示されるアプリケーションサーバー一覧から、「アプリケーションサーバー」のリンクをクリックしてください。
Javaおよびプロセス管理 > プロセス定義 > Java仮想マシン
アプリケーション・サーバーの「構成」タブ > 「サーバー・インフラストラクチャー」 > 「プロセス定義」をクリックしてください。
「追加プロパティー」 の 「Java仮想マシン」をクリックしてください。
最大ヒープ・サイズの設定
「構成」タブの「一般プロパティー」 「最大ヒープ・サイズ」にヒープサイズを設定してください。「適用」ボタンをクリックすると構成の保存画面が表示されます。
「保存」をクリックすると設定が保存されます。
なお、設定した内容は、アプリケーションサーバー(WAS)を再起動後に適用されます。