*ブランド名・製品名変更のお知らせ*
 
新ブランド名 Maxava HA ( 旧:*noMAX )
 
新製品名 DATA STREAM ( 旧:セントリー )
    SMB ( 旧:ディフェンダー )
    ENTERPRISE+ ( 旧:ギャリソン )
 
IBM i でのリモートジャーナルの有用性について
IBMの技術者のバイブルともいわれるRedbookにリモートジャーナルの有用性についての説明があります。一部を抜粋し、ここではリモートジャーナルを使用していない古いタイプのHAツールの仕組みと、リモートジャーナルを使用した仕組みの違いについて説明致します。
(1) TIMIとは?



IBM i はマシンそのものが仮想化されています。IBM i/OSと呼ばれるオペレーティング・システムやアプリケーション・プログラムがマシンと見なしているのは、TIMI(Technology Independent Machine Interface)と呼ばれる仮想マシンです。ハードウェアを前提に、SLIC(System License Internal Code)と呼ばれるマイクロコード相当の機能がTIMIを作り出し、その上でオペレーティング・システムが稼働する、という仕組みになっています。そしてTIMIのメリットは、アプリケーション資産の継承と、マシンとしての柔軟な拡張性の実現にあります。TIMIを境にして上部がソフトウェア層、下部がハードウェア層であり、実行スピードは勿論ハードウェア層での方が格段に高速です。

(2) リモ−トジャーナルを使用しない場合

リモ−トジャーナルを使用しない場合のジャーナルの送受信は、下記の図の様にTIMIを7回も行ったり来たりして(つまりソフトウェア層とハードウェア層間を往復して)処理されます。また転送はHAツールの独自プログラムを使用して行われる場合がほとんどです。

(3) リモートジャーナルを使用した場合
リモートジャーナルを使用した場合は、格段にシンプルな構成で稼動でき、本番機のジャーナルは発行された時点ですぐにハードウェア層からバックアップ機側に IBM i/OS機能で送信され、これが高速の転送を実現しています。また双方が IBM i/OSで実行されるので確実な転送を実現しています。



上記二つの図で比較をご覧いただくと一目瞭然ですが、この転送スピードの違いがHAツールでは最大のポイントです。スピードの遅さは致命的な「遅延」を発生させます。遅延とは、本番機のDBが変更されているにも拘わらず、その変更情報がバックアップ機に到達していない状況を指しています。この未送信のジャーナルレコードは、転送の順番が来るまで本番機の中に留まります。そしてその間に運悪く本番機が被災してしまった場合、その変更情報はバックアップ機に反映されることなく喪失してしまいます。

(4) リモートジャーナル機能のまとめ
IBM Redbookでは、リモートジャーナルの有用性のまとめとして次の特長をあげています。
    ・本番機上のCPU負荷が少ない
    ・通信回線への速い書き込み
    ・DBイメージはバックアップ機にリアルタイムで送信される
    ・IBM i マシン間での最高の送信手段
    ・効率の良い通信の仕組み
       −マイクロコード to マイクロコード(マシンインターフェース下で)
       −メモリ to メモリ転送
    ・利用技術として
       −HAツールでの新しい送信手段として
    ・IBM i/OSの基本機能の一部である
       −別製品とか別機構とかではない